ねじなし電線管の曲げ方について

静岡理工科大学 理工学部 電気電子工学科 電力変換装置研究室

 ねじなし電線管を90度に曲げる方法や、S字に曲げる方法など電気工事業を何年もやっている人たちに聞いても「勘と経験」という回答しか得られなかったので、当社なりにまとめてみることにしました。

 内線規程に書いてある指示は

 3110-8 管の屈曲 「金属管を曲げる場合は、金属管の断面が著しく変形しないように曲げ、その内側の半径は、管内径の6倍以上とすること。ただし、電線管の太さが25mm以下のもので建造物の構造上やむを得ない場合は、管の内断面が著しく変形せず、管にひびわれが生じない程度まで小さくすることができる。」

ねじなし電線管(JIS C8305)資料

管の呼び方 外径(mm) 厚さ(mm) 内径(mm) 内径の6倍の値
(r:半径)
90度分パイプ長(mm)
「2πr/4」
90度分パイプ長(mm)
当社基準値
E19 19.1 1.2 16.7 100.2 157.3 190.0
E25 25.4 1.2 23.0 138.0 216.7 250.0
E31 31.8 1.4 29.0 174.0 273.2 310.0
E39 38.1 1.4 35.3 211.8 332.5 390.0

 


 当社では松下電工の上図「ハイヒッキー」を使用してねじなし電線管を加工しているので、E19-E39までを対象としました。

 下記になじなし電線管のE25を90度に加工する場合の手順を述べます。

 図1に示すように、E25の場合当社の基準に従いパイプに250mmの区間の印を付け、またその中心点(125mm地点)にも印を付けます。

 次に図2に示すように、中心から125mmの片側の区間をまんべんなく折り曲げて45度にします。その後、図にでは左側の125mm区間を同じように45度に折り曲げれば、90度の電線管の折り曲げができあがります。


 S字に折り曲げる場合も、基本は同じです。S字は20度から45度の角度で折り曲げるようにします。だいたい30度程度が基本になります。E25の電線管の場合、125mm区間を印を付けて、まんべんなく30度程度折り曲げて作成します。


図1 手順1


図2 手順2